現代人は、飽食の時代にいながら「脳疲労」や「新型栄養失調」に悩まされています。しかし、私たちの祖先である縄文人は、現代人よりも大きな脳を持ち、高い身体能力を誇っていました。
「縄文時代=ひもじい」というイメージはもう古い。最新の考古学と栄養学が明かす、現代人が取り入れるべき
「縄文スペック」
という新しいダイエット栄養学を提唱します。
はじめに
私(桑原)は、日本史が大好きでパーソナルトレーナーになる前に戻れるなら歴史考古学者にでもなりたいなと思っています。
そんな私は、最近なぜ縄文時代(紀元前13,000年ころから約1万年以上)に争いが極めて少なかったのに対し、現代(たった3000年くらい)でこんなにも争いが起きるのかに、大きな疑問を持ち始めて色々調べ始めました。
が、、、
その争いがどうとかは置いといて

物理的な事実:縄文人の脳は現代人より100cc大きかった
人類学の研究により、縄文人の平均脳容量は約1,450〜1,500ccと、現代人よりも一回り大きかったことが分かっています。この「脳のスペック」を支えていたのは、皮肉にも現代の「農耕定住生活」ではなく、彼らの「狩猟採集による食生活」でした。
ここに着目しました。
縄文人の推定PFCバランス
現代の日本人の理想とされるバランス(P:15%, F:25%, C:60%)と比較すると、驚くほど「高タンパク・中脂質・低〜中糖質」であったことが分かります。
| 栄養素 | 縄文人の推定比率 (エネルギー比) | 現代日本人 (平均) | 主な摂取源 |
| P (タンパク質) | 25% 〜 35% | 約15% | 魚介類、鹿・猪肉、ナッツ類 |
| F (脂質) | 35% 〜 45% | 約25% | クルミ、カヤの実、魚の脂、動物性脂肪 |
| C (炭水化物) | 25% 〜 35% | 約60% | どんぐり、トチの実、ヤマイモ、ベリー類 |
① タンパク質 (P) の高さ
縄文人は、現代人の数倍の魚貝類や野生動物を摂取していました。骨の安定同位体分析では、特に東日本の縄文人はタンパク質源の多くを海洋資源(魚やアザラシなど)から得ていたことが証明されています。
- エネルギー密度: 1g=4 kcal
- 摂取量推測: 現代人の約2〜3倍の肉・魚を食べていた計算になり、エネルギー比で30%前後に跳ね上がります。
② 脂質 (F) の質と量
「縄文人は痩せていた」イメージがありますが、実は脂質もしっかり摂っていました。特にクルミやカヤの実といったナッツ類は、秋から冬にかけての貴重なエネルギー源でした。
- エネルギー密度: 1g=9 kcal
- ロジック: 脂質は少量で高カロリーなため、エネルギー比率を押し上げます。しかも、魚やナッツ由来の「オメガ3系脂肪酸」が中心だったため、現代のような体脂肪の蓄積や炎症は起きにくい構成です。
③ 炭水化物 (C) の「質」の決定的な違い
糖質の比率は現代の半分程度ですが、注目すべきはその「GI値」と「食物繊維量」です。
- 低GI・高繊維: どんぐりやクズなどの野生植物は、精製された白米に比べて食物繊維が圧倒的に多く、吸収が非常にゆっくりです。
- 実質的な糖質量: 摂取エネルギー比が30%であっても、食物繊維を差し引いた「有効糖質量」で考えると、現代人よりもはるかにインスリンへの負担が少ない状態でした。
3. 現代のフィットネスへの応用
このバランスを現代の数値に当てはめると、「ハードなトレーニングを行うアスリートの増量期、あるいは高度なケトジェニック・ダイエットの導入期」に近い数値になります。
ポイント: 縄文人はこのPFCバランスで1日平均2,500〜3,000kcal(狩猟採集による激しい活動量のため)を消費していたと考えられます。
桑原の素朴な疑問
桑原弥生時代から稲作が始まったとされるよね、縄文時代はどちらかと言うと糖質制限だったと思うんだけど、縄文時代の人々は現代人よりも脳を使えていたと言うけど、栄養学的にその説を立証できる?
縄文人の脳が現代人よりも「使えていた」、あるいは「スペックが高かった」という説は、考古学的な事実(脳容量)と栄養学的な観点の両面から非常に興味深い考察が可能です。
結論から言うと、「脳の物理的な大きさ」と「脳の働きを支える栄養素の質」において、縄文人は現代人よりも有利な条件を備えていた可能性が高いです。
1. 物理的な事実:縄文人は脳が大きかった
人類学の研究データによると、縄文人の平均的な脳容量は約1,450cc〜1,500cc程度あったと推測されています。これに対し、現代の日本人は約1,350cc〜1,400cc。つまり、縄文人の方が100ccほど脳が大きかったのです。
この「脳の縮小」は、弥生時代以降の農耕定住化と密接に関係していると考えられています。
2. 栄養学的な「脳のポテンシャル」立証
縄文人の食生活を栄養学的なアプローチ(いわゆるパレオダイエット的な視点)で見ると、現代よりも脳の機能を最大限に引き出しやすい環境だったと言えます。
① オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)の圧倒的な摂取量
脳の約60%は脂質でできており、その中でもDHAは神経細胞の活性化や記憶力に直結します。
縄文人: 魚介類、貝類、クルミなどのナッツ類から、良質なオメガ3を日常的に大量摂取していました。
現代人: 植物油(オメガ6)の摂取が過剰になりやすく、脳の炎症を招きやすいバランスになっています。
② 血糖値の安定(ケトジェニックに近い状態)
ご指摘の通り、縄文食は現代に比べて低GIな「糖質制限」に近い状態でした。
低GI食のメリット: 堅実なエネルギー源として、どんぐりやヤマイモなどの複雑な炭水化物を摂取していました。これによりインスリンの急上昇(血糖値スパイク)が抑えられ、脳が常に安定したエネルギー(ブドウ糖だけでなくケトン体も活用)を受け取ることができました。
脳への影響: 血糖値が安定することで、集中力が途切れず、メンタルも安定しやすい状態になります。
③ 亜鉛・マグネシウムなどの微量栄養素
貝塚の存在からもわかる通り、縄文人は牡蠣やシジミなどの貝類を豊富に食べていました。
亜鉛: 神経伝達物質の合成に不可欠。
マグネシウム: 脳の可塑性(学習能力)を高める。 これらが天然の形で高密度に摂取されていたことは、脳のパフォーマンス維持に大きく寄与していたはずです。
3. 「脳を使う環境」の違い(進化心理学的視点)
栄養学とは少し逸れますが、脳を「使う」という点では以下の環境要因も無視できません。
五感のフル活用: 未開の自然の中で狩猟を行うには、視覚、聴覚、嗅覚を研ぎ澄ませる必要があり、脳の「頭頂葉」や「前頭葉」が極めて活性化されます。
多様なタスク: 単調な農作業(弥生以降)に比べ、毎日異なる場所で異なる獲物を狙う縄文の生活は、脳にとって常に高度な刺激がある状態でした。
栄養学的考察のまとめ(以下、参照)
縄文人の脳が「現代人よりも使えていた」という説は、単なるロマンではなく、「脳を構成する材料(脂質)」と「脳を動かす燃料(血糖値の安定)」が最高品質だったという点で、栄養学的に十分に支持できる説と言えるでしょう。
この「縄文的な栄養バランス」を、現代のサプリメントや食事管理で再現することは、現代人のパフォーマンス最大化において非常に理にかなった戦略と言えそうです。
| 項目 | 縄文時代 | 弥生〜現代 |
| 主要エネルギー | タンパク質、良質な脂質、低GI炭水化物 | 精製された炭水化物(白米・パン) |
| 脳の構成脂質 | オメガ3が豊富 | オメガ6、トランス脂肪酸が過多 |
| インスリン | 分泌が安定(脳の霧がない) | アップダウンが激しい(脳疲労) |
| ミネラル密度 | 非常に高い(天然食材) | 低下(土壌の痩せ、加工食品) |



けど、縄文人は低血糖で頭痛を起こしたりしなかったのかな?
これに対する回答はこんな感じです。
非常に鋭い視点ですね!現代人がいきなり糖質制限をすると、頭痛やフラフラ感(いわゆる「ケトフル」)が起きることがありますが、縄文人はむしろ「現代人よりも低血糖による不調が起きにくい体質」だったと考えられます。
栄養学と生理学の観点から、その理由を3つのポイントで解説します。
1. 「糖新生(とうしんせい)」というエンジンの性能
人間には、糖質を摂らなくてもタンパク質(アミノ酸)や脂肪(グリセロール)から体内でブドウ糖を作り出す「糖新生」という機能が備わっています。
- 縄文人: 常に狩猟採集でタンパク質や脂質を摂取していたため、この糖新生のスイッチが常に「オン」の状態でした。血糖値が下がればすぐに体内で作り出せるため、脳へのエネルギー供給が途絶えることはありませんでした。
- 現代人: 常に糖質が外から入ってくる生活に慣れすぎているため、この糖新生のエンジンが「錆びついている」状態です。そのため、糖が切れるとすぐにエネルギー不足(低血糖症状)を起こしてしまいます。
2. インスリンの「乱高下」がない
現代人の頭痛の多くは、実は「低血糖」そのものよりも、「血糖値の急激な変化(血糖値スパイク)」が原因です。
- 現代: 精製された白米や砂糖を摂ると血糖値が爆上がりし、その後インスリンが大量に出て血糖値を急降下させます。この「乱高下」が血管や神経にストレスを与え、頭痛を引き起こします。
- 縄文時代: 彼らが食べていたのは、どんぐり、クズ、ヤマイモなどの「食物繊維が極めて豊富な未精製の糖質」です。吸収が非常にゆっくりなため、血糖値は「なだらかな丘」のような動きでした。インスリンの過剰分泌がないため、反動による低血糖(=頭痛)が起きる隙がなかったのです。
3. 「ケトン体」をハイブリッドに使いこなす
縄文人は、ブドウ糖が足りなくなると脂肪を燃やして「ケトン体」を作り、それを脳のエネルギーとして利用する「メタボリック・フレキシビリティ(代謝の柔軟性)」が極めて高かったと考えられます。
脳はブドウ糖だけでなくケトン体でも非常に効率よく動くことが分かっており、むしろケトン体で動いている時の方が集中力が増し、炎症(頭痛の原因の一つ)も抑えられやすいという特性があります。
結論:縄文人は「エネルギー切れ」に強いハイブリッド車
現代人が「ガソリン(糖質)が切れると止まってしまう車」だとすれば、縄文人は「ガソリンがなければ電気(脂肪・ケトン体)で走り、さらに自分でガソリンを合成(糖新生)できる超高性能ハイブリッド車」だったと言えます。
興味深いポイント: 現代の持久系アスリートや、集中力を極限まで高めたいビジネスパーソンが「ケトジェニック・ダイエット」を取り入れるのは、まさにこの「縄文人のようなエネルギー回路」を取り戻すための作業と言い換えることもできます。
これを踏まえ、縄文人が当時の食事のまま筋トレしたらどうなるか
もし縄文人が当時の食事(縄文PFC)を維持したまま、現代的なハードな筋トレ(レジスタンストレーニング)を行ったら……結論から言うと、「現代人が羨むほどの、バキバキに引き締まった高密度な機能美ボディ」になる可能性が極めて高いです。
いわゆるバルクアップ(巨大化)というよりは、「細マッチョの極致」や「ミドル級の格闘家」のような身体つきです。その理由を、栄養学と生理学の観点からシミュレーションしてみましょう。
1. 驚異的な「除脂肪体重」の維持が可能
縄文食は高タンパク質(P)かつ低〜中糖質(C)であるため、体脂肪が極めてつきにくい状態です。
- 筋肉の合成: 常に豊富なアミノ酸(魚や肉由来)が血中にあるため、トレーニングによる筋破壊からの回復・合成がスムーズに進みます。
- カッティング効果: 精製糖質を摂らないため、常にインスリン濃度が低く保たれ、脂肪燃焼が常に優位な状態。トレーニングをすればするほど、面白いように皮下脂肪が削げ落ち、血管が浮き出るようなドライな質感の筋肉になります。
2. 天然の「テストステロン」ブースター状態
筋肥大に不可欠な男性ホルモン(テストステロン)の分泌において、縄文環境は最強です。
- 良質な脂質: テストステロンの原料となるコレステロールや脂肪酸を、クルミや青魚(オメガ3)から豊富に摂取しています。
- 亜鉛の宝庫: 貝塚ができるほど食べていた貝類には、ホルモン合成に必須の「亜鉛」が大量に含まれています。
- ビタミンD: 現代人のような「室内での活動」ではなく、常に太陽光を浴びる生活。これによりビタミンDが合成され、筋力向上とホルモンバランスが最適化されます。
3. 関節とリカバリーの強さ
現代のトレーニーを悩ませる「関節の痛み」や「慢性炎症」が、縄文人には起きにくいと考えられます。
- 抗炎症作用: オメガ3脂肪酸の摂取量が非常に多いため、トレーニングによる微細な炎症の回復が圧倒的に早いです。
- ミネラル密度: 天然の硬水や海産物から摂取するマグネシウムやカルシウムにより、骨密度が非常に高く、高重量の負荷にも耐えうる堅牢な骨格を維持できます。
4. 唯一の「弱点」と「限界」
ただし、現代のボディビルダーのような「巨大な筋肉の塊」になるには、一つだけ壁があります。
- インスリンスパイクの欠如: 筋肉を巨大化させるには、インスリン(同化ホルモン)を意図的に出すために「高GIな糖質(白米や粉末デンプンなど)」を大量に摂る戦略が有効です。縄文人のどんぐりやヤマイモ(低GI)では、この「強烈な同化作用」が起きにくいため、「デカくはなりにくいが、密度が高く機能的な筋肉」という仕上がりになります。
最後に
これから『縄文スペックの教科書』を作成していきます。出来上がったら改めてHP内に載せる予定ですので、ご期待ください。



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